2011年06月02日 ちょっとした工夫で扱えなくなったExcelファイル
_ 先日、仕事絡みで「これに入力して提出して下さい。」としてExcelファイルをメールで受け取った。マクロが組み込まれたExcelファイル。しかし、これが視覚障害者の私には扱えない。
「使えないので対応して欲しい」旨を連絡し、なんとか対応してもらった。
これまでも同じ形式のExcelファイルをもらっていたが、なんのトラブルもなく入力していた。
今回なにがあったのかは、私が先方に送った下のメールを読んでいただければ見当がつくと思う。
Excelファイル作成者の些細な工夫が私には致命的になってしまった例。なかなか おもしろい。
−−−− メールここから
(前略)
要望の前に、視覚障害者のExcel操作環境を少し書きます。
- マウスカーソルを音声出力で確認することが困難なので、マウスは用いず、カーソルキーなどのキーで操作します。
- 注目セルを移す場合、カーソルキーやタブキーを押して移します。
- 移った先の注目セルに何か書いてあると、それが音声出力されて、状況を把握できます。注目セル以外を音声出力させる手段は、基本的にありません。
- 例えるなら、「画面に注目セル1つしか表示されない状況」に近いでしょうか。
今回のExcelファイルについて、私が感じた不便は次の点です。
- カーソルキーやタブキーを押して注目セルを移した時に、隣のセルに移るのではなく、入力欄に移るような仕組みになっています。
- 入力欄には、基本的に何も書かれていないので、どのようにキー操作しても、音声出力で確認できません。
- したがって、その入力欄に何を書き込めばいいのかを把握できません。
以上の状況から、要するに、要望は次のとおりです。
- 入力欄だけでなく、それ以外のセルにも移れるようにしていただきたい。
- 例えば、「氏名」の入力欄を注目セルにしている時に、左カーソルキーを押すと、素直に左隣の「氏名」と書かれたセルにちゃんと移れるようにしていただきたい。
入力欄以外にカーソルが移らないようになっているのは、ある意味 便利なのだと思いますが、私の場合、致命的なほど使いにくいことになります。
(後略)
−−−− メールここまで
_ こういうケースについて、「よけいな工夫はしないで欲しい。」とは言いたくない。私も多少のスクリプトを書くので、自分なりの工夫を盛り込みたいという気持ちはよく分かる。
それに、些細な工夫を抑制してしまうと、物事の進展が阻害され、全体として悪影響になる、と思う。
一つの対処方法は、「何か不都合がある時は○○まで連絡ください。」みたいなメッセージを添えることだろうか。
通常、そうしたメッセージがないので、担当者に直接連絡できない。今回は、私にメールしてくれた人を経由して、なんとかExcelファイル製作者に連絡をつけた。
もう一つの対処方法は、やはり代替手段を用意することだろう。私のようにExcelを苦手とする人は、少数だとしてもそれなりにいると思う。
「難しいなら、こちらのテキストファイルに入力して下さい。」といった配慮があると、とても助かる。